徒然なるままに本と日常

生きづらい新入社員が綴る日常と本のこと

響野夏菜『ザ・藤川家族カンパニー2 ブラック婆さんの涙』

📖あらすじ
依頼人の遺言を死後に叶える「遺言代行業」を営む藤川家。
男女7人きょうだいが暮らす家に、祖母スナがやってる。傍若無人に振る舞うスナに辟易し、
早く帰って欲しいと願うきょうだいたちだが、
スナは代行を依頼すると言って居座り続ける。
他の依頼人の遺言内容にズケズケと無神経な発言を繰り返すスナの遺言とは……?
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人と人との絆、心に秘めた想いを描く、静かな感動と癒やしの物語。

🌿感想
訳ありきょうだい達が営むのは、遺言代行業、シリーズ2巻目。
突然やって来た祖母スナが遺言を残すと言うが、その振る舞いに困り果てる一家。
そんな中、今日も無理難題な遺言を遂行しようとぶつかり合い、葛藤し、時に間違えながらも奮闘していきます。

母娘の鬱屈した関係、隠された因縁を抱えた姉妹、そして難ありの老人…。

自分の家族にトラウマがあるからかあんまり家族ものは読まないのですが、このシリーズはそういうことを一切合切取っ払って素の自分になって読めます。
それぞれが抱えることがリアルで、でもどこかに救いがあって、自然と自分の拠り所を見つけられる。

こんなにも人間の弱さやどうしようもなさを見せつけながら、でも大丈夫だよって思わせてくれるのはなにか新しい温かさを感じるのです。

きっとこのシリーズは、もっと歳を重ねたらずしんとくると思うので、数年後に再読するのが楽しみ。

あと「ママハハ」の承子さんが好きです(*^^*)

宝石商リチャード氏の謎鑑定アニメ化おめでとう

宝石商リチャード氏の謎鑑定アニメ化おめでとうございます!!!!

今日もグッフォユー、宝石商を愛するみなさん。
大切な生きるヒントをくれた大好きなシリーズがアニメ化してほんとに嬉しいです。

宝石商シリーズはなんとなく無視してしまいがちな小さな胸の凝りを、そこにあると認めて溶かしてくれるような、ほんとに優しくて温かい物語です。
文化、国籍、言えなかった気持ち、誰もが抱える心
の黒い部分…。
宝石にまつわる人やそんなエピソードを解していきます。
世界一優しい美貌のイギリス人宝石商と、迂闊な「正義の味方」の日本人大学生が出会うところから
始まり、なんとなんと最近では…(*´艸`*)

それよりわたしの涙腺は大丈夫なのでしょうか…??
だって宝石商読むだけでしんど…むり…泣くわこれ…ってなってるのに、アニメ化して動いて喋ってなんかされたら呼吸止まりますよ…!

これから他のスタッフさんやキャストさんも発表されていくと思いますが、応援していけたらいいな(^^♪

HSP向けの本

長沼睦雄『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』

HSP の性質を持つ人に向けた本で、文章も読みやすくイラストも入っていておすすめ。

HSPはHighly Sensitive Personの略で身体が受け取る全ての情報に対して敏感で、
共感力や直感力が高いため生きづらさを抱えてしまう気質のことです。
病気でもなんでもないけれど、自分の疲れやすさや性質を言語化してこんな対処法もありかも、
とヒントにできるのはありがたい。

そもそもどうして敏感になってしまうのかなど根本的なところからケース事に対処法が紹介され、
押し付けがましくなくてよかったです。

個人的には中のレイアウトが赤で目が痛かったけど、ひとつの話ごとの分量もちょうどよくて
自分のなかでもやもや固まっていた
しこりみたいなものがだんだん整頓させていくようでした。
何度も読み直して自分を好きになっていけたらいいな。

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下村敦史『失踪者』

📖あらすじ
2016年、ペルー。
山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。
10年前、クレパスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えに来たのだ。
長い時間待たせて悪かったな…クレパスの底に降り立ち、樋口を発見した真山だったが、
その遺体を前に驚愕する。
極寒のクレパスに閉じ込められた遺体は、
歳を取ることなく凍りついてしまうはず。
しかし、樋口は明らかに10年前より年老いていたのだ!
まさか、樋口はあの時生還していたのか?

氷点下に閉ざされた、謎に包まれし親友の「秘密」に触れたとき、あなたはきっと胸を熱くする!

🌿感想
「10年前に死んだ登山家樋口を、雪山で発見した相棒の真山。しかし彼の遺体は歳を取っていた…!」

という設定にまずは心惹かれずにはいられない。
彼の足取りを掴むうちに大きな真実にたどり着くが、
違ったいろいろなやり方で山を愛する人たちの生き方や現実が真に迫っていてよかった。

普段はあらすじに書いてあるアオリにはへそを曲げて「なんだ大したことないじゃん」と思ってしまうのですが、本作はほんとにラストに胸が熱くなりました。


「お前がまた一緒に登りたいと思うクライマーになりたかった」

もうね…、樋口がめちゃくちゃ口下手で何より山が大切で自分の信念と向き合う孤独な男なんですが、唯一心を許した真山にものすごく真摯な言葉を紡ぐんです。

登山の知識に乏しいわたしでも置いてけぼりにならず読めるし、ミステリーとしての要素ももちろんしっかりしてるし、それでいて泣けてくる。

おすすめです!

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真っ白のノートを買った

表紙に魅せられて、白のノートを買いました。
これで安売りされてたら買うしかなかったです。
めちゃくちゃ可愛いです(๑•̀ㅂ•́)و✧

小さい頃、白いノートは一番のお気に入りで、
何でも書けました。
空想の世界、絵、着たい服、日記…。

さて、今は何を書こうかな。
みなさんだったらどんなノートにしますか?

(※ちなみに本でこの置き方されるとキレます)

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マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust 排気

📖あらすじ(本文より抜粋)

科学技術発祥の地"楽園"を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、
カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に 存在するという事実だった。チップを合法的に入
手すべくポーカー、ルーレットを制してゆくバ
ロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャック
臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙するーー喪失と安息、そして超克の完結篇。

🌱感想

バロットを一度殺したシェルの犯罪の証拠が
カジノのチップにあることがわかり、あくまで
合法的に手に入れる作戦を立てる事件屋ご一行。

カジノでの勝負の一夜に、かつて殻を被り意志を殺して生きてきた少女は、 ひとりの客として、
ゲームを始める。それは、単なるカジノでも、
ディーラーとの駆け引きでもない。自分の事件、
自分たちの事件に立ち向かう物語。

場面は「カジノのお店」から一歩も動かずして、バロットは大きく、じわりじわりと自分の殻を破っていく。
丁寧に描かれたその様子は読み応えがありました。

最後の戦闘シーンも、とても動きがあって迫力が
ありバロットとウフコックの葛藤やコンビネーションをしみじみと感じましたが、やはりブラックジャックのシーンが感動しました。
自分でゲームをすると決めたこと、自分の能力を
どう使うかわかり始めたバロット。ひとりで立ち向かう彼女は、しかしドクターやウフコックがいたからこそ、新しい彼女になれた。

一度爆破され散り散りになった卵だからこそ、固まった雛のゆで卵から、鳥になって飛べることを知った。

ボイルドもバロットも根っこは同じで、ウフコックを使える立場(だった)のも同じで、きっとボイルドは「バロット」を煮すぎてしまったのだと思う。でもだからこそ、ウフコックとドクターはバロットを救えたんだと思う。 お互いについた「焦げ付き」に気付き、そこに触れすぎにそれを解決しようと思いやった彼らだからこそ、この物語は成立した。

マルドゥック・スクランブル The Second Combusion 燃焼

📖あらすじ(本文より抜粋)

緊急事態において科学技術の使用が許可されるスクランブル-O9。人工皮膚をまとって再生した
バロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を
手に、驚異的な空間認識能力と正確無比な射撃で相手を仕留めていくバロット。その表情には、強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前に迫るーー緊迫の第2巻!

🌱感想

科学技術により生命を救われネズミ型の万能兵器を身に纏うバロット。自分の殻に閉じこもり我慢を
重ねてきた少女は、圧倒的な力に酔って濫用してしまう。安全な居場所、守りたいもの、追うべき
犯罪、力の使い方…。少女は強くなる。

力を得たバロットが使い方を誤るこの2巻の
表紙だけ、ウフコックの姿が見当たらないんですよね…。泣きそう。裏切ってしまうこと、間違った
使い方をされること、それでもお互いに傷ついた
心を感じあって成長できること。もう人間ではないのにやっと人間になり始めた少女と、紳士的な兵器は歩み寄る。

バロットを一度殺したシェルの犯罪の証拠を探す
ため、「楽園」を訪れますが、個人的には生首の
おっさんが出てきた辺りからどんどん面白くなっていきました。物語の方向性が見えたというか…。

楽園の技術たち(?)もとても興味深くて、SFの魅力が詰まった宝箱みたいな場所でした。
この先のシリーズでまた登場するといいな。

マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮

📖あらすじ(本文より抜粋)

なぜ、私なの?ー賭博師シェルの奸計により、
少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。
瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして
ネズミ型万能兵器のウフコックだった。
高度な電子干渉能力を得て蘇生したバロットは
シェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官
ボイルドが立ち塞がる。それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった……
弾丸のごとき激情が炸裂するシリーズ全3巻発動!

🌿感想

マルドゥックシリーズ1作目を読了したのですが、、これを消化中するのにかなり時間を
要しました。読み終わったばかりのわたしに
ただ言えるのは、面白い予感がふつふつと湧くこと。

バロットが育った境遇の割に愛されて育った人
特有の言動もあって、疑問に思うけど、
そのちぐはぐさもポイントなのかも。
彼女の得も言われぬ違和感というか、バランスのないあやふやな感じが、丁寧に伝わってきます。

実のところ、あまりSFは得意じゃないのですが
このシリーズに関しては設定がぶっ飛び過ぎて
いないので想像しやすいし、登場人物も多すぎないし、敵味方の力関係もわかりやすかったです。
でもテーマは重いので読み応えがありました。

卵の調理法に関する人物名がほとんどで、
イースター」の名前をもつドクターはもしかして一番すごい人なのでは?と思いました(笑)
ただの卵じゃない、特別な日の特別な卵。

「バロット」は孵化直前のアヒルの雛のゆで卵の
こと。人間として孵化する前に、圧倒的な社会の
力にゆでられて固まってしまったのか。
それでいて名字は「フェニックス=不死鳥」。
誰がゆで卵から孵化させてくれるのか。バロット自身に殻を破らせてくれるのか。それはきっと、
これから読めばわかる。

ウフコックとバロットの関係も魅力的。
悲しい過去を背負ったバロットと、濫用されて
傷ついたことのあるウフコックだからこそ、
わかりあえたんだと思うと…うっ…(緩む涙腺)

「紙と本をたのしむ会」に行ってきました!

7月21日(日)に、神保町の東京堂書店で行われた「紙と本をたのしむ会」に行ってきました!

何を隠そう、このわたし、物心付いた時から紙とか、もちろん本が大好きなのです!

入口で200円を払い入場。活版印刷のチケットにミシン目とエンボス加工(紙に文字やイラストを浮き彫りにできる)で日付を入れる体験ができます!
もうここでわくわく(≧▽≦)

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活版印刷のちらし代わりコースターも頂きました。
色が涼やかで夏っぽいですね。

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📝まんまる○ さん

入って最初のまんまる○さん(Twitter ID @mammaru_t )では、生活に彩りを加える雑貨が勢揃い。
わたしは『銀河鉄道の夜』をイメージしたコースターを買いました。
商品名まで可愛い「煌めき星カード」は手動活版印刷機で印刷されたとのことです。
いろんな種類や絵柄があってめちゃくちゃ迷いました。
この手触り!も活版印刷の世界は、温かくて優しい。

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▶HPはこちら
まんまる〇


📝ほしおさなえ さん

活版印刷日月堂シリーズの著者で、わたしが印刷と紙好きに火が付き、活版印刷を知るきっかけになった
ほしおさなえ先生(@hoshio_s)とお会いできました!嬉しい。
川越を舞台に分け合って祖父の活版印刷所を継いだ若き店主・弓子さんをめぐる
何かを生み出すことに情熱を注ぐ人たちの物語です。

140字小説活版カードを全種類読んで(お邪魔してすみません)『星と宇宙のおはなし』を購入です。素敵すぎる…✨
額縁に何枚か並べて飾ったり、手帳に挟んだり、栞にしてもよさそう。

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▶HPはこちら
おしらせ - ほしおさなえ


📝po0ol さん

po0olさん(@no_rie )のブースには、紙を使ったいろんなアクセサリーがぞろり。
普段あまりアクセサリーを買わない(ほとんど貰い物)わたしでも目移りします。
まんまる○さんのところで廃棄になる本の表紙を拾って作ったそうです。
全部世界にひとつで、いろんな種類がありました。
わたしは前後の奥行きがあって宇宙を思い浮かべられるような、このデザインにしました。お出掛けが楽しくなりそう。

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▶HPはこちら
po0ol


📝あまのさくや さん

チェコ親善アンバサダー&消しゴムはんこ作家さんのあまのさくやさん(@sakuhanjyo )のブースで
蔵書印ペーパー(使い方は無限大!)と、栞を購入です。
みなさん蔵書印はご存知ですか?
本にスタンプを押して、そこに自分の名前を書き「この本は自分のです!」と持ち主を明らかにすることです。
ドイツ発祥の文化ですが、日本に伝えたのはなんとチェコ人だそう。
他にもチェコのお話しもして頂けて楽しかったです。

ゼミノートやマイノートに貼って使おうと思います。9月に判子作りのワークショップもあるみたいですよ!

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チェコ記も覗いてみませんか。
チェコ記|sakuhanjyo|note


📝安達茉莉子 さん

安達茉莉子さん(@andmariobooks)のブースでは、それぞれに世界観がたくさん詰まった作品が並べてられています。
わたしは解説をお聞きして夕日のカードをチョイス。
選挙も期日前ですが行ったので、なんと缶バッジまで頂けました。 尾道マップも付いてきて幸せいっぱいです。
広島に詳しい恋人と行ってみたくなりました。  

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▶HPはこちら
MARIOBOOKS 安達茉莉子 Official Web Site


📝宵待ブックス さん

宵待ブックスさん(@tn_kayo )のブースでは、見てくださいこれ…!!!
「物語世界へのチケット」なんですが、なんと、半券を切って本の読世に飛び込めるんですよ…!!
本の表紙を開いて、目次をめくると本の世界に吸い込まれるわたしですが、
それを具体的に「半券を切る」という形で表現するのが素敵だと思いませんか。
もちろん作品の内容も一行目がすごく好きで、これにしました。
「自分の書いた物語を持ち歩きたい」という思いから始まったとのことです。

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▶Noteはこちら
宵待ブックス|note


📝Kino.Q さん

Kino.Qさん(@29182929cm )のところでは、なかなかお目にかかることのできない珍しいものがたくさんありました!
思わず目がキラキラしてしまいます。
わたしはイニシャルカードにしました。
手帳に挟んだり、定期入れに入れて個人情報守ったり栞にしたり、飾ってもいいなぁ。

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▶HPはこちら
Kino.Q


📝Honey Style さん

Honey Styleさん(@honeystyle_hani )はお手紙用品のブースです。
なんと、便箋10枚と封筒3枚を自分でカスタマイズして500円という、本体も選ぶ時間もなんとも贅沢な催しが…!
元々手紙を書くのは好きですが、さらに誰かに手紙を書きたくなりますね。

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▶HPはこちら
ステキなお手紙用品 *HoneyStyle*

📝紙me さん

紙meさんのブースで泉はるか先生(@haruka11sss )の『飛行船都市 案内書』を購入。
見てこれ…!!すごいの…!!いや見ないで…!
わたしの心の内だけに留めて置きたくなるような、なんだろうこの世界。
紙好き、宇宙好き、物語好き、綺麗な世界に憧れる人を惹き付ける。読んだら時間が飛びそう。

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▶HPはこちら
IZUMI Haruka | 泉はるか | Illustration


実は神保町を訪れたのも初めてなのですが、本当にいろんなタイプのクリエーターの方々と触れ合えてとても充実した時間になりました!
次回もあるといいなぁ。

うつ病になったきっかけ

今回は、なぜわたしがうつ病になってしまったのか、考え直してみたいと思います。

 

本当のところ、なぜ自分がうつ病になってしまったのかよくわかりません

本を読んだり調べたりすると「ストレス」「環境の変化」という言葉が出てきますが、

わたしにとっていったい何がストレスだったのか、何を無理していたのか、

思い当たる節や改善すべき点はあるのですが、明確に答えが出ていません。

なので、また発症してしまうのではないかという不安がいつもそばにいます。

回復してきたときに、一番ひどい状態だったころのわたしがいて、じっと声を掛ける

タイミングを狙っているような気がするのです。

それでも少しずつ、探っていこうと思います。

 

①頑張りすぎる

わたしは常に全力で頑張っていないと誰にも認めてもらえない、と思い込んでいました。

3姉妹の長女であるわたしは頑張れることだけが取り柄で、それをしないと居場所が

なくなると考えていたのです。

 

・父のこと

父はわたしの学校での成績や普段の様子にあまり関心がありませんでした。

単身赴任をしていたため一緒に過ごす時間も少なかったのですが、「子供への愛情が

ない」というより、子育てに一切かかわらないスタイルだったのです。

そんな父が褒めてくれるのは「皆勤賞」という学校に一日も休まず行くことだけ。

なんだかんだで根が丈夫なわたしは、父に認めてもらうには頑張ってとにかく学校に

足を運べばいいのだと頑なに思っていました。

そんなこんなでわたしは、自分のコンディションが悪いと訴える方法もわからず、

そもそもそれを自覚する感覚すら薄れていきました。

 

・母のこと

母が子育ての全てを握っていたこともあり、一方母に認めてもらうには、勉強を

頑張るしかないと思っていました。大事なのは、母は決してわたしたち3人の娘に

順番をつけたり格差を産ませたりしませんでした。常に平等で「お姉ちゃんだから

こうしなさい」と言われたことは一度もありません。しかし、もしかすると、

だからこそ、他の妹たちと自分の差別化を図るために、頑張らなくてはいけないと

考えていたのかもしれません。

わたしは勉強だけでなく、ご飯の食べ方やお手伝い、言葉遣いやふるまいまで完璧に

しようといつも家の中で緊張していました。

もちろん、当時のわたしにはそんな感覚はありません。生きていくために必要なことだったのです。

 

②助けてと言えない

上記のことも相まって、わたしはヘルプの出し方を知らないまま育ちました。

何もかも自分で考えて、自分で解決することが一番偉くて、大人だと考えていたのです。

誰かに頼っても弱みを握られる、意味がない、どうせ伝わらない、どうやって

話せばいいのかわからない・・・。

そんなこんなで、わたしは困った時に「今こんな状況なんだけど、助けて」と

いう、という選択肢すら頭の中から消え去っていたのです。

 

☆さいごに

これを読んでくださっているみなさんは「セルフ・アドボカシー」という言葉を

知っていますか?

それは、「自分で自分の意思を発信していく」ということです。

発達障害のある子供の意思や必要な手助けをその親や介護者がしていたのですが、

それをその子供自身にさせてみよう、という考え方のことです。

 

発達障害のある小中高生向け 放課後等デイサービス TEENS に詳しいことが
記載されていたので抜粋します。
  • 『セルフアドボカシー』とは自分に必要なサポートを、自分でまわりの人に説明して、理解をえていくための活動のこと
  • どういうサポートが必要か伝えるときは、その理由も必ず説明しよう!
  • セルフアドボカシーはフェアに挑戦していくためのもの!

つまり、自分で困ったことや、してほしいことをちゃんと伝えて、伝えられた人も

何の気兼ねも気負いもなく、誠実に対応していくことです。

これはわたしのように精神疾患を抱えた人にも、また健常者にもいえることで、

これからの社会を生きるヒントになると思いませんか?