徒然なるままに本と日常

うつ病大学生が綴る日常と本のこと

マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust 排気

📖あらすじ(本文より抜粋)

科学技術発祥の地"楽園"を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、
カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に 存在するという事実だった。チップを合法的に入
手すべくポーカー、ルーレットを制してゆくバ
ロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャック
臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙するーー喪失と安息、そして超克の完結篇。

🌱感想

バロットを一度殺したシェルの犯罪の証拠が
カジノのチップにあることがわかり、あくまで
合法的に手に入れる作戦を立てる事件屋ご一行。

カジノでの勝負の一夜に、かつて殻を被り意志を殺して生きてきた少女は、 ひとりの客として、
ゲームを始める。それは、単なるカジノでも、
ディーラーとの駆け引きでもない。自分の事件、
自分たちの事件に立ち向かう物語。

場面は「カジノのお店」から一歩も動かずして、バロットは大きく、じわりじわりと自分の殻を破っていく。
丁寧に描かれたその様子は読み応えがありました。

最後の戦闘シーンも、とても動きがあって迫力が
ありバロットとウフコックの葛藤やコンビネーションをしみじみと感じましたが、やはりブラックジャックのシーンが感動しました。
自分でゲームをすると決めたこと、自分の能力を
どう使うかわかり始めたバロット。ひとりで立ち向かう彼女は、しかしドクターやウフコックがいたからこそ、新しい彼女になれた。

一度爆破され散り散りになった卵だからこそ、固まった雛のゆで卵から、鳥になって飛べることを知った。

ボイルドもバロットも根っこは同じで、ウフコックを使える立場(だった)のも同じで、きっとボイルドは「バロット」を煮すぎてしまったのだと思う。でもだからこそ、ウフコックとドクターはバロットを救えたんだと思う。 お互いについた「焦げ付き」に気付き、そこに触れすぎにそれを解決しようと思いやった彼らだからこそ、この物語は成立した。