徒然なるままに本と日常

生きづらい新入社員が綴る日常と本のこと

壁井ユカコ『2.43 清陰高校男子バレー部①②』(集英社文庫)

壁井ユカコ『2.43 清陰高校男子バレー部①②』


📖あらすじ(文庫抜粋)

①東京の強豪中学バレー部でトラブルを起こした灰島公誓は、母方の郷里・福井に

転居し、幼なじみの黒羽祐仁と再会する。ほとんど活動も行われていないバレー部で、一人黙々と練習を始める灰島だが……。
ずばぬけた身体能力を持つがヘタレな黒羽と、圧倒的な情熱と才能ゆえに周囲との

軋轢を引き起こす問題児・灰島を中心に、田舎の弱小バレー部の闘いが始まる!

純粋で真っ直ぐな青春小説、誕生。

②高一の夏。清陰高校バレー部で改めてチームメイトになった黒羽と灰島は、個性的な先輩たちと共に全国を目指し練習に明け暮れていた。一年前の一件を引きずって

ぎくしゃくしていた二人だが、夏合宿を前に互いへの信頼を取り戻す。

そして、期待が高まる中で迎えた県高校秋季大会。順調に勝ち上がってゆく

清陰高校だが、準決勝を前にまたもや事件が―――。

まぶしくひたむきな青春小説、第二弾!

🌿感想
前回読んだ壁井作品が『サマーサイダー』で「蝉???せみ!!セミぃぃ!?!?」で感情が埋もれたこともあり、青春小説でしょと半ば胡乱な目で読み進めましたが…、

これは、青春小説というより、すべての不器用な人間に向けられたエールというか、

ヒントというか…。

いろんな意味で熱い!!

普段はあまり青春小説を読まないのですが、これは変にどろっと熱くなく、

でも確かに若者特有の荒削りの激しさみたいなものがありました。
ものすごく微妙でバランスの取りにくい男女関係だったり、自分のやさぐれた心との

向き合い方だったり、いろんなものが詰まっていて楽しめました。

福井のリズム感のある方言も物語のエッセンスになっていますが、しつこすぎず、

とにかく最後まで全体を通して「すっきり」しています。

このあとのシリーズ続刊を読み進めるのが楽しみです。

作中でバレーのルールに置いてけぼりにされることはないのですが

巻末にバレーボールの初級講座が載っているのでさらに面白いです

 

ポータルサイトにギャラリーなどの詳細情報がてんこ盛りですので、

あわせてどうぞ!

 

2.43 清陰高校男子バレー部 ポータルサイト